雑誌掲載記事 | |
BMWER(vol.29から引用)#1 | |
アクティブカーズ 整備日誌 | |
1.初めて来店するE30M3は、特定箇所に明らかな問題を抱えているケースもあるが、微妙に調子を落としフィーリングが損なわれることで本来の速さが感じられなくなっているケースというのが多い。 | |
2.小川氏にとってE30M3は、BMW正規ディーラー時代に新車の状態から整備にあたったクルマのひとつ。完調な状態を知っているからこそ、本来の調子を取り戻すことができる。 | |
3.点検作業は、ディーラー時代から変わらない所定の順番にしたがってみて行く。長年身に付いたものだから少しの異変も見逃さない。 | |
4.微妙に本調子でないというケースは、部品をひとつ換えればそれで直るというものでもない。些細なことが積もり積もってということも多い。 | |
5.ちょっとしたことで微妙に調子を落としていることがあるので、センサー類のコネクターのチェックも欠かせない。 | |
6.巷には「旧いクルマだからこんなものですよ」という便利な言葉があるが、そんな言葉はアクティブカーズにはない。 | |
7.点検整備では関連するところはすべてみる。燃料ポンプを交換する際、エンジンのメインリレーとポンプリレー、ポンプのヒューズをセットで換えるのは、フューズ1個がダメでもクルマが止まるためだ。 | |
8.初めての方はオイル交換でアクティブカーズを利用してみては。エンジンオイルは、クルマに応じてオメガ、ERG、カストロールの3種雛使い分けている。土曜日はリフトが開けられているので、予約の電話を入れておくと待ち時間が少ない |
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9.チャンとした点検整備になるとクルマをお預かりすることになるが、オイル交換の際も下回りを軽くみて、気付いたことはオーナーにお伝えしているそうだ | |
「あなたのE30M3も調子を微妙に落とし、本来の速さを失っているのでは?」 | |
アクティブカーズの小川氏がいつも仰ることがある。それは「E30M3というクルマは本来は速いんだよ」ということ。どういうことかといえば、本来の調子にあるM3というのは、青も静かでフィーリングも良く、速さを感じるのだが、調子を崩したクルマだと本来のフィーリングが損なわれ速さを感じられないのである。アクティブカーズに、初めてやってくるE30M3を見ていると、たまに調子がいいのもあるが、微妙に本調子ではないケースが多い、と小川氏は仰る。ご安心いただきたいのは、アクティブカーズでこれまでに点検整備した中でいえば、よっぽど変なイジり方をされていたり、あるいはノーメンテできたクルマでもなければ、エンジンの中に手を付けずともかなりのクルマが本来の調子を取り戻している。 では、アクティブカーズの点検整備とはどういうものだろうか。それにはチューニングということを考えてもらえれば分かりやすいかもしれない。例えば、エンジンをボーリングして排気量アップすると、当然、トルクも上がれば、パワーもでる。でもそこからさらなるモアパワー、モアトルクを引き出すには、バルブの当たり幅をキッチリ合わせるのは無論のこと、圧縮を確保すために、バルブクリアランスも見なければならないし、パルタイをキッチリ合わせることでも変わって来る。要は、何かひとつ手を加えればすむ話ではなく、いろんな部分を妥協なく調整して、仕上げる必要があることはお分かりいただけるだろう。NAエンジンのチューニングでは、ひとつひとつの積み重ねこそが大事なのであるが、実は、クルマの点検整備にもまったく同じことがいえるのである。そう小川氏は考えている。 アクティブカーズの点検整備は、トータル的に細かいところをひとつひとつ見て行く。エンジンルームでいえば、センサーのコネクターを外してチェックして、接点復活をかけるところから始まるのである。大体、E30の場合の主要部となるエアフロメーターに、水温センサー、スロットルスイッチ、集中コネクターなどは、みんな確認する。なぜかといえば、クルマのコネクターは、差しっばなしではなんともなくても、抜いて差すだけでも接点が変わるためだ。もし、そこに錆などがあったとしたら、それまでぎりぎり接触していたものが、整備後急に調子が悪くなることもあるのだ。昔、巷にあった話で、車検に出すとクルマの調子が悪くなるというのがある。それは往々にしてコネクターなどの細かい部分が関係しているのである。だから、整備工場に出す際に余計なことはしないで欲しいという人も多かったと聞く。一方、整備工場の側でも、余計なことはしない触らないという風潮が−部にはあったらしい。でもそれでは、なんのための点検整備だか分からないではないか。小川氏は、E30を初めとする旧いBMWを大事にしている人たちを相手とするアクティブカーズというショップを始めた時に、そういう細かいこともみてやろうと決めていたのである。 壊れてもないのにいちいちセンサーのコネクターを外してみているショップなどそうはないし、ディーラーでもやってはないだろう。でもアクティブカーズの点検整備では、コネクターのチェック以外にも色々と細かなことを当たり前のこととしてやっている。そんな細かな積み重ねを大事にすることでクルマのフィーリングも良くなると考えているのだ。愛機の状態が本調子かどうか気になる方、あるいは完調な状態で乗りたいという方は、アクティブカーズを−度訪ねることをオススメする。アクティブカーズには、オーナーのクルマヘの想いに応えられるだけの技術と経験とが備わっているのだから。 |
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