雑誌掲載記事 | ||
BMWER(vol.10から引用)#1 | ||
E30 M3 E30M3に2.8L直6エンジン&ATを換装 街乗り快適仕様のM3を求めるニーズに アクティブカーズが全力で応える! 「M3で街乗りを快適にこなしたい」というユーザーのニーズに応えるべく、 アクティブカーズが提案したのが、M3のボディに325iの直6エンジンとATミッションを換装するというメニューだ。ただし、そこに搭載されるのは2.8リッター化が施されたエンジンだけに、完成後のパフォーマンスも侮れないものとなるはずだ。 |
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2.8リッターエンジンによってM3らしいパフォーマンスも維持 これまでにもE30M3をベースに、そのパフォーマンスを高めるための様々なチューニングメニューを生み出してきたアクティブカーズだが、今回新たに取り組むのが、E30M3のボディに同じくE30の325iに搭載される2.5リッター直6SOHCエンジンを換装し、さらにミッションも325iのATを移植するという一風変わったメニューだ。実はこのプロジェクトの発端となったのは、すでにE30M3を所有するオーナーからMT車の運転が苦手な家人でも気軽に乗れるM3がほしいというオーダーが寄せられたことによる。M3のエンジンはそのままに、ミッションのみAT化するという手法も考えられるが、アクティブカーズ代表の小川氏によれば、「M3に搭載されるS14エンジンは高回転型のユニットですので、ATとのマッチングを考えるとあまりおススメできる仕様とは言えません。そこで、S14エンジンよりも排気量の大きい325iの直6にエンジンを乗せ換えつつ、合わせてミッションもAT化するというメニューを提案させていただきました」という。 本誌では以前にも、やはりM3に325iのエンジンとATミッションを換装したクルマを紹介したことがあるが、今回はそこに搭載されるエンジンが2.8リッターにまで排気量アップを施したチューニングエンジンであるというのが注目したい点だ。そこにはエンジン&ミッションのドナーである325iのベース車が、アクティブカーズにおいてすでに2.8リッター化を受けたクルマであるという事情もあるのだが、単にノーマルの2.5リッター・エンジンとATを乗せ換えるだけでは、パフォーマンスが低下して、M3らしさも半減してしまうとの小川氏のこだわりもあったはずだ。この2.8リッター・エンジンについては、以前に本誌でレポートを行ったが、直6らしいスムーズな吹け上がりと低速から溢れんばかりのトルクを発揮する特性に仕上がっており、ATとも非常にマッチングの良さそうな特性であったと記憶している。それゆえ、AT化によってM3の刺激が薄れることはいたしかたないものの、オーナーの希望するイージードライブとM3に相応しい動力性能を兼ね備えたクルマとしては、まさに理想的な仕様といえよう。 実際の作業は、それぞれのクルマからエンジンとミッションを降ろし、コンバートを行うというもの。言葉にすれば簡単そうだが、エンジン形式もミッションも全く別物になるのだから、当然補機類やハーネス関係、さらにはAT用のコンピュータなども丸ごと交換する大掛かりな作業となることは容易に想像がつく。本誌では、その模様を今後もレポートしてゆくので、乞うご期待! |
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サーキット仕様としてハードに作り込まれたクルマがベース ベースとなるM3は、室内にロールケージがセットされ、カーボンボンネットなどが装着されたサーキット仕様だ。 街乗り快適仕様にはちょっと不向きなようだが、こうした内外装もしっかりとレストアが施され、オリジナルのコンディションヘと復元される。 |
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M3に搭載される直4エンジンは、高回転まで回すことで真価を発揮するタイプなので、MTで操ってこそ、その良さが味わえるというもの。 | シフトまわりは、当然ATのものに一新される。ただし、コンソールなどの基本的な形状は変わらないため、ほぼそのまま乗せ換えができそうだ。 | インバネまわりは、メーターパネルも含めて全く手を加える必要はない。ただし、回転計のセンサーは直6エンジンのものを使用する。 |
アクティブカーズ渾身の2.8リッターエンジンを搭載した325i M3に換装するエンジンを提供する325iは、今回のメニューをオーダーしたオーナーが以前にアクティブカーズで2.8リッター化を施したもの。こちらはドナーにしてしまうのが惜しいほどコンディションのいい一台だが、M3へのこだわりから移植へと踏み切る。 |
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国産エンジン用のピストンとイ一夕ー・エンジンのクランクを組み合わせて、ボア・ストロークを86.0×81mmに拡大し、2819ccの排気量を得た。 | シフトはこちらのAT用がそのまま移植される。基本がMT仕様の設計だけに、ATのシフトまわりのデザインはやや無骨なイメージだ。 | 操作系では、シフトの他にペダルまわりも、AT用に変更される。ただ、ブレーキペダルはスマートなMT用でも良さそうだ。 |
排気系では、オリジナルのステンEXマニから触媒を含むセンターパイプまでが325i用を、テール部分はM3用を組み合わせて使用する。 | ||
MTと比べると、かなり大柄なAT用ミッション。ラジエターもATFクーラーを内蔵したAT用に合わせて交換する必要がある。 | ||
ATコンピュータは、トランクルーム内にセットされている。ここまでの配線も含めて、M3に移植される予定だ。 | ||
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