甲府市議会議員
山中和男

戦う甲府、攻める甲府!!
甲府市は山梨県で住みたい町、1位でないとダメなんです 。

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◯山中和男君 よろしくお願いいたします。新政クラブの山中です。先日の清水 仁議員の代表質問に続きまして、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日は、昨日の銀座ビルの売却決定を受けまして、またエコパークが決定したということで、本当に喜ばしく思います。またこういったことが甲府市全体にいろいろな形で広まっていただければと思っております。今回で私、7回目の一般質問をさせていただくんですが、また次もここで立てるように一生懸命質問したいと思いますので、ぜひ有意義な御答弁を御期待しておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 では、質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最初に、健康寿命の延伸についてお伺いいたします。
 本市において平成18年、2006年から平成27年までの10カ年計画である第五次総合計画の総仕上げの時期となっており、ことし1月には次期総合計画へ反映させるべく、市民満足度調査が行われました。
 平成22年9月と比較すると、満足層は35%が39.4%、不満層は17.5%が14.6%に、特に男女別では、女性の満足層が32.6%から38.4%へ上昇していること、市長を初め職員の皆様の御尽力に感謝いたします。
 しかし、私の耳に入ってくるのは、他の市と比べて御意見を頂戴することが非常に多くあります。今後市民の多様なニーズを把握していく中で、市民の満足度につき、多角的に次期計画に取り組んでいくべきと考えております。
 そこで、青森県では、次期基本計画(2014年〜2018年)に、県内総時間という新しい考えを設定し、県民の平均寿命の長寿化や県外からの観光客の増加を進めることで、青森県の経済効果につなげる内容となっています。この考えの参考は、日本総合研究所の藻谷浩介著書の『デフレの正体』で提唱した、国民が経済活動に使える総合計を、人口掛ける365日掛ける24時間と定義して、平均寿命、健康寿命が延びれば、自治体内で使う時間もふえ、消費もふえる。そうなると、企業の新たな生産が誘発され、利益が労働者に分配され、加えて多くのビジネス客、観光客が訪れれば、最終的に市民の所得につながるとのことです。
 青森県では長野県の死亡率を適用して、年間3,000人死亡者数が減少したなら、100億円もの経済効果が生まれると推計しております。
 元気で長生きすること、すなわち健康寿命が世界保健機関(WHO)で新しい健康指標として提唱され、日本は平均寿命とともにこの健康寿命も世界一長いことが証明されております。また、山梨県においては健康寿命はトップクラスであり、80歳での男女の健康寿命は山梨県が1位とのことで、山梨日日新聞の昨年の11月28日では掲載されておりました。
 そこでお伺いいたします。
 次期総合計画にこの市民が市内で使う時間と市外からの来訪者などの滞在時間を足した、市内総時間とも呼べるべきものの概念を取り入れ、最終的に市民所得の向上をもたらす、市民の健康寿命を延ばすための施策を組み込んではいかがかと考えますが、御所見をお願いいたします。
 この研究に精通されている山梨県立大学の小田切教授によりますと、趣味やスポーツの活動、無尽が盛んで、地域社会とのつながりが強く、高齢者が孤立せず豊かな人間関係のある生活が維持されていることが背景にあるのではないかと説明されております。
 ただ、今回の結果は、今の高齢者が20年前から規則正しい生活習慣や食生活をしていたことが深く関係していると指摘されております。規則正しい生活習慣・食生活を育むためにも、生活習慣のアドバイスを含め健康診断等が重要になってくるかと考えます。
 2011年12月議会において、私の健康診断受診率向上の質問に対して当時の福祉部長の御答弁では、一部抜粋ではありますが、「本市の受診率は低迷を続けているのが現状であり、後期高齢者健診事業につきましても、受診率が低位で推移しております。いずれにいたしましても、健康診査は生活習慣病を早期に発見して、重症化の予防を図る上で大変有効でありますので、今後もあらゆる機会を捉えた周知啓発を行うとともに、受診環境の一層の改善を努めながら、受診率の向上を図ってまいります」とのことでした。
 そこでお伺いいたします。
 特定健診、基本健診、後期高齢者健康診断、またがん検診における受診率について、類似都市と比較してどのような状況であるのか。受診率の向上策をどのように考えるのか。またあわせて、高血圧予防に効果がある塩分摂取量の適正化について、具体策があればお示しをお願いいたします。
 以上で1つ目の質問とさせていただきます。

◯市長(宮島雅展君) 山中議員の御質問にお答えをします。
 健康寿命の延伸にかかわる施策の総合計画への組み込みについてです。
 総合計画は、地方自治体が総合的かつ計画的な行政運営を行っていくための基本となるものでありまして、現計画であります第五次甲府市総合計画におきましても、将来の都市像を実現するための基本目標を掲げ、さまざまな施策を推進しています。
 御質問にありました、観光客など市外からの来訪者の増加につきましては、観光や商業などにかかわる各種事業に関連する取り組みを進めており、このことが市外からの来訪者の滞在時間の増加につながるものと考えています。
 また、健康寿命の延伸につきましては、現計画の福祉分野の基本目標であります「互いに支え合い 健やかに暮らせるまち」を具現化するため、高齢者支援や健康づくりなどの各種事業に取り組んでおり、このことが市民が市内で使う時間の増加につながるものと考えています。
 現在、平成28年度を初年度とする次期総合計画の策定に着手したところでございますが、高齢化がますます進行する中にありましては、引き続き、高齢者の皆様が健康で生き生きと安心して暮らすことのできる施策が大変重要となりますので、現計画の検証・評価を行う中で、健康寿命の延伸にも資する施策を検討してまいりたいと考えています。
 御理解を賜りたいと存じます。
 私からは以上です。

◯福祉部長(輿石十直君) 福祉部にかかわります各種健診の受診率と塩分摂取量の適正化について答えさせていただきます。
 市民の命と健康を守り、医療費の適正化を図ることからも、特定健診を初めとする各種健診の受診率の向上は、極めて重要な課題であります。
 本市では、これまでも19歳以上39歳以下の市民を対象とした基本健診、40歳以上74歳以下の国民健康保険被保険者を対象とした特定健診、75歳以上の市民を対象とした後期高齢者健診を、市内各地区の公民館等で実施する集団健診と、お近くのかかりつけ医で受診可能な個別医療機関健診の2種類を用意し、実施してまいりました。
 また、がん検診につきましては、国のがん検診推進事業の円滑な実施に努めてまいりました。
 平成24年度における各種検診の本市の受診率と主な類似都市の平均受診率につきましては、特定健診は、本市が26.9%、類似都市が39.0%。後期高齢者健診は、本市が10.0%、類似都市が42.9%。胃がん検診は、本市が6.8%、類似都市が7.0%。肺がん検診は、本市が20.6%、類似都市が18.4%。大腸がん検診は、本市が17.1%、類似都市が23.3%。子宮がん検診は、本市が20.7%、類似都市が20.8%。乳がん検診は、本市が20.4%、類似都市が16.0%という状況になっております。
 次に、各種健診の受診率の向上対策についてでありますが、特定健診につきましては、年度当初に対象者全員に受診案内を送付するとともに、未受診者対策として、8月の時点での未受診者に対し、過去の受診歴の有無や対象者の年代に応じた内容の案内はがきを送付し、受診を促しております。
 また、基本健診、後期高齢者健診につきましては、受診の習慣化を目的として、前年度受診者に受診案内を送付しており、昨年度からは40歳から74歳までの国民健康保険以外の市民全員に、がん検診の受診案内を送付し、啓発を行っているところであります。
 今後も甲府市医師会並びに健診受託医療機関などとも十分に協議し、さまざまな対策を講じる中で健診受診率の向上を図り、市民の健康寿命延伸に向け、努力してまいります。
 次に、塩分摂取量の適正化につきましては、過剰な塩分摂取は高血圧の原因となり、生活習慣病の発症リスクを高めることから、減塩に向けた食生活の改善が求められます。
 そのため、本市では減塩の取り組みといたしまして、平成23年度から塩分メーターを使用したみそ汁の塩分濃度の測定を実施し、みそ汁塩分濃度マップを作成しました。
 また、このマップを活用し、食生活改善推進員の活動の中で、減塩1グラム声かけ運動や塩分の適正量をテーマとした健康教室・おやこ食育教室を開催するなど、食生活習慣の改善を推進してまいりました。
 今後も、地域の健康づくりの担い手である食生活改善推進員の方々を中心とした事業を通じて、市民の皆様に塩分摂取量の適正化に向けた啓発を行ってまいります。
 以上でございます。

◯山中和男君 ありがとうございます。親切丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。
 まず、総合計画におきましては、本当に甲府市の最上級の政策でありますので、ぜひそれが市民の方にもわかり、また接しやすいような数値化というんですかね、そういうのがわかりやすく触れられるような政策を今後も検討していただきたいと思います。
 先ほど啓発についてですが、総じて健康診断等の形は、がん検診はある程度あったとしても、ほかのものについてはなかなかまだ伸び悩んでいるのかなと感じております。多くのチラシといいますか、啓発の書類をつくられていると思うんですが、私もいろいろなところで人集めをしたことがあるんですが、最初はチラシを見るんですけれども、二度三度なかなかチラシも見てくれなかったりするもので、ぜひいろいろ考えていただきたいなと思います。
 これは警察署が出したチラシだったりするんですけれども、ふりかけがついたりしていて、こういうのだったら見たりするなと思います。
 塩分摂取量については、減塩テープとか、こういったところに減塩テープみたいな、こういったものをいろいろなところで検討していただきたいなと思います。
 今この減塩テープが、長野県が長寿命、平均寿命率というのが男女ともに1位になりまして、そのときの活動をしていたのが40年前から、長野県はかつて塩分の高い食べ物が好きで、脳卒中率がワースト1位になったということもあって、県を挙げて減塩対策に取り組んで、それで報道で取り上げられて、減塩ということがなかなかもうないということがありますので、ぜひ今、甲府市でもそういった減塩テープをつくって、いろいろなところに売るぐらいの話をぜひ考えていただきたいと思っております。この健康寿命については以上とします。
 特定健診なんですけれども、私もいろいろな委員会で健康診断の向上の話をするんですが、各部署に非常に分かれていまして、本当に一体的に取り上げるのが大変であるなということは感じております。
 例えば、国民健康保険であれば国民健康保険課であったり、基本健診であれば福祉部であったり、国民健康保険は市民部であったり、後期高齢者は山梨県後期高齢者医療広域連合であったり、これを各課で一生懸命やっていただくのはわかるんですが、ぜひ全体としての把握が、対象者数の把握というのがまずできてないということから、なかなか健康診断というのが全体に上がっていかないのかなと思っています。ぜひともこういった健康診断の全体数の把握を今後努めていただきたいと思います。
 ことしの3月28日、山梨県が全国健康保険協会山梨支部と包括連携ということの記事を見ました。国民健康保険でいえば甲府市でいえば3分の1の世帯でありますし、全国健康保険協会山梨支部も3分の1の世帯であります。ぜひ、そういった多くの団体とこれからもいろいろな共済等10%ですね、いろいろな団体等の数を把握して、上から下に行くような健康診断としての全体的な取り組み、全庁的な健康診断についての向上を考えていただきたいと思っております。
 以上要望で、健診については終わらさせていただきます。
 次に、幸福度・満足度向上策についてお伺いいたします。
 国内総生産(GDP)よりも国民総幸福量(GNH)を重視する政策でブータンが注目される中、国内で先駆けて取り組んだ荒川区に注目が集まっております。
 2013年6月には全国で52の自治体が結集して、幸せリーグを結成しました。山梨県においては南アルプス市、北杜市が参加しているようです。
 満足、幸せの概念をここでお話しするわけではありませんが、他都市と比較することにより満足が得られていくものもあると考えます。
 そこで、今後都市間競争時代において、本市においても幸せリーグに登録し、市民満足度において他都市と切磋琢磨していくべきと考えますが、御所見をお願いいたします。
 また、幸福度を向上させるために、近居・同居を支援していくことが今後の甲府市行政にとって費用対効果の面からも有効であると考えております。
 神戸市では、3歳児がいる子育て世帯にアンケートを実施し、親世帯と近居・同居する人のうち約60%が満足、約27%がどちらかといえば満足と答え、9割近くが満足であったとのことでした。調査結果から、神戸市では近居・同居が高齢親世帯、子育て世帯双方に安心感をもたらす住まい方と分析し、促進策として引っ越し費用の半額助成10万円を導入しました。
 また、高槻市においても同居や近居を促すため、住宅リフォーム費用や購入費用の一部を補助する事業を行っております。
 高齢者の孤独死防止や親が若い世代を市外から呼び寄せるきっかけとして、定住人口の増加にもつながり、市民の満足度と安心感をつくり出し、将来的には医療介護費用の抑制につながるとのことです。
 本市においてもJR甲府駅、朝日通り、平和通り周辺、新たに住宅購入者に最大50万円の補助を2019年3月までの5年間の補助を示されたことは、感謝申し上げます。また、平成27年度までは住宅リフォーム助成制度を行っていただいていることは承知しております。
 そこで、かつて多世代同居世帯促進事業という、住宅建築等への資金融資という形で助成する事業がございましたが、それとは違った形での近居・同居への勧奨、近居・同居への助成を行っていくべきと考えますが、御所見をお願いいたします。

◯企画部長(萩原 泰君) 2点の御質問にお答えをいたします。
 まず、幸せリーグへの参加についてです。
 幸せリーグにつきましては、自治体の相互の連携・協力、職員の学びの場を設けることにより、住民の幸福実感の向上を目指した施策等について情報交換を行い、行政運営の一層のレベルアップを図ることを目的として、設立されたものであります。
 本市におきましては、全国特例市市長会におきまして、行財政の円滑な運営や地方分権の推進に向けての協議や国への要望活動などを行うとともに、個性と活力ある地域づくりを図るため、首都圏の県都7市で構成されている首都圏県都市長懇話会に参加し、共通する行政課題について調査・研究を行っております。
 したがいまして、現段階におきましては、こうした取り組みにより満足度の高い行政サービスの提供に努めておりますので、御提案の幸せリーグへの参加につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
 次に、近居・同居への勧奨と助成についてです。
 本市におきましては、平成2年度から多世代同居世帯促進事業に取り組み、多世代が同居などをする際、住宅の建築に必要な資金を融資することにより、その促進を図ってまいりました。
 また、昨年度には住宅リフォーム助成事業を創設し、市民の皆様の安心で快適な居住環境の向上と、小規模な住宅改修工事の発注を促し、地域経済の活性化を図るとともに、本年度におきましては、まちなか居住促進施策として中心市街地定住促進住宅取得支援事業を推進するなど、市民の皆様の幸せと安心を確保するため、満足度の高い行政サービスの安定的な提供に努めているところであります。
 御指摘の親世帯と子育て世帯の近居や同居への勧奨や助成につきましては、お示しいただいた他都市の事例などを今後の施策展開の参考にさせていただきたいと考えております。
 以上です。

◯山中和男君 ありがとうございます。
 今後も参考にしていただきまして、近居・同居での満足度の違いといいますか、こういったことも今後いろいろなところで施策に反映と、また実態も確認と調査していただきたいと思っております。
 次に、子ども・子育て支援についてお伺いいたします。
 国の保育制度が改革する子ども・子育て支援新制度が来年度から実施されるのに向け、ことしの秋から保育の利用申し込みが始まろうとしております。親の働き方で、善意の子供が幼稚園か保育園かを求められる制度には、元来矛盾も感じるところではありましたが、一本化を図っていくことは多くの方から賛同があるところであります。
 ただ、長年続いている制度でありますので、もう少し周知と時間をかけて行ってほしいと思うところであります。現場の職員さんは、国の制度が急に変更になりまして、丸投げではないですが、これほどの制度改革において多くの部分を市町村での対応になることに感謝申し上げたいと思っております。
 また、主な対象団体が幼稚園、保育園とのこともあり、制度変更後多くのリスクを伴うのではないかと感じている園経営者も多くおります。ぜひ、今後も親切丁寧な対応を目指していただきたいと思います。
 新制度は、多様な保育サービスをふやすだけでなく、さまざまな子育て支援も拡充するため、全ての子育て世帯に影響が及び、実施主体となる市町村は準備を急ピッチで進めておりますが、市民への周知などが課題となっているようです。
 この制度では大きく3つの変化が考えられており、大きな制度改革が来年に迫るのに、親も施設関係者も内容をよく知らないのが現状であります。
 新制度は、2012年夏に決まった社会保障・税一体改革の目玉でありました。消費税が10%に上がる増税分から毎年7,000億円が、新たに子育て支援の充実に投入されてまいります。これだけの財源が子ども施策に投じられるのは初めてあり、国が幼児教育や保育の質を改善する方向を明確にしたことは、大きな一歩であると考えます。
 新制度におきまして、子育て家庭にはさまざまな変化が及んでまいります。
 1つ目は、保育の利用手続の仕組みが変わり、ことしの秋から申請も始まります。保育を利用するには、現在は希望の施設名を伝えて申し込むと、甲府市が当否を決めるのが一般的でしたが、新制度では、利用したい人はまず保育の必要性の認定を甲府市から受け、認定された後に入所できる仕組みに変わってまいります。また、保育の必要がない3歳から5歳の子の家庭も、教育の利用が認定されます。
 2つ目は、保育を利用できる要件が広がり、パート勤務や在学中の人なども対象となる点です。フルタイム勤務なら1日最大11時間利用できる保育標準時間、パートなど短時間労働者でも同8時間の保育短時間の認定が受けられるようになります。基本的な入所要件が全国で統一され、都市部はフルタイム勤務でも入れないといった状況が是正されてまいります。
 3つ目は、保育の定員や種類がふえることです。市町村はゼロ歳から2歳児対象の小規模保育(定員6人〜19人)や、家庭的保育(定員1人〜5人)など、新たな保育事業を導入できることになり、国の給付を受けられます。待機児童解消だけでなく、子供が減る過疎地でも地域事情に応じた保育を行えることが期待されております。
 幼稚園の制度も変わり、現在私学助成などの補助がありますが、新制度に参入する幼稚園には、保育所と同様の運営費が国から給付されることになり、所得に応じた利用料も導入されてまいります。
 私立園の多くは通常の保育時間の後、夕方までの預かり保育を行っておりますが、新制度では一時預かり事業として位置づけられ、利用者負担が軽減される見込みですが、私立園は平成26年度中には新制度に参入するか否か、保育も提供する認定こども園に変わるか否かを選択することになっております。幼稚園には認定こども園の移行を検討中のところも多いと聞いておりますが、施設費用の改修の面で躊躇されている園も多くあると聞いております。
 認定こども園なら保護者が仕事を始めても、子供が転園する必要はなくなります。家庭で子育てする人への支援もふえ、各種情報提供や子育て相談、親子の交流広場などにも消費税が投入されます。
 全国の自治体は、子育て世帯を対象にどんなサービスの希望があるかを調査しており、需要を受け、子育て支援の事業計画を自治体ごとに秋までに策定する運びとなっております。
 現在、国は制度設計を急ピッチで毎月子ども・子育て会議を行う中でつくり上げていく最中ではありますが、市では保育に欠ける認定に当たり、保護者就労時間の下限時間を48時間から64時間の間で決める必要があります。甲府市は今まで80時間の下限が今度は48時間から64時間の間になるということは、いずれにしても基準が緩和され、保育所へは入りやすくなります。ただ、現在甲府市周辺市では、おおむね64時間の下限時間であります。待機児童でよく話題になる横浜市など多くの都市部でも、もともと64時間の下限であるとのことです。
 こちらの広告、保育士さん募集の広告なんですけれども、よくこういった広告を見かけます。最近社宅込みで県外からの募集を行っているようです。つまり、甲府市での保育の需要が一気にふえ、現在約110%の保育入所率がふえて、認定こども園の移行の幼稚園も進まず、幼稚園がこども園に移行しようと思っても保育士さんがいない、現保育園での保育士さんも県外に出てしまうなどのことを危惧するわけですが、民間事業と雇用の関係もあることでもありますが、どのように対策を考えているのか。また、来年度から新制度とのことで、秋には各園次年度の募集を行っていく時期になります。
 先月末ごろ、この新制度に向けて公定価格案が示されました。この公定価格案が出たことにより、必要な費用や整備計画準備が本格化していくと思われますが、この価格案で保育園と幼稚園に限ってどのような影響があるのか、また保育士さんの雇用について危惧するところもあわせてお伺いいたします。
 次に、不妊治療についてお伺いいたします。
 不妊治療は女性が受けるもの、そんな誤解はしてないでしょうか。WHOの不妊症に関する調査では、男性のみに原因があるケース、男女双方に原因があるケースはともに24%ずつで、不妊の原因の約半数が男性因子であるとされております。
 しかし、日本の不妊治療を行っているのは婦人科医のクリニックが大半で、そこに男性の姿は見ることは少ないとのことです。
 三重県、福井県では、本年度から不妊の原因の半数は男性側にあるとされることから、県民に理解を深めてもらい、男性が不妊治療を受けやすくするために、男性の特定不妊治療に増額の助成を行うとのことです。
 現在、国の現行制度では、体外受精と顕微鏡下で精子を卵子の中に送り込む顕微授精について治療費の一部を助成しており、平成26年度より特定不妊治療の対象範囲が見直されました。
 それに伴い本市においては、今年度から通算助成回数を初回治療年齢が40歳未満であれば、2回から6回へ、40歳以上であれば3回など対応いただいているところであります。
 しかし、県内27市町村を見ると、富士吉田市、笛吹市など14市町村で一般不妊治療にも助成を行っているようです。
 本市においても一般不妊治療にも助成を拡大し、また男性も不妊治療を受けやすくする勧奨を積極的に行うべきと考えますが、御所見をお願いいたします。
 次に、いわゆるおたふく風邪についてお伺いいたします。
 国内の任意接種となっているおたふく風邪ワクチンについて助成をしている自治体は、子育て支援の側面から助成を決定しているところも少なくありません。子育て支援関係者は「県内は子供が病気になっても休める企業は少ない」、小児科医は「ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぐのが世界の常識」とされております。公費で受けられる定期ワクチンと違い、任意接種は保護者が全額費用を負担しなければなりません。
 合併症としておたふく風邪を発病した100人のうち、1人から3人が無菌性髄膜炎になると言われております。また、最近は難病への注意が促されており、発病した1,000人に1人との調査報告もあるほどです。
 ぜひおたふく風邪へ一部助成を国に先駆けて行っていくべきと考えますが、御見解をお願いいたします。
 最後に、みなし寡婦(夫)控除についてお伺いいたします。
 昨年の9月議会で、他都市の状況がございますのでこれをしっかりと調査していきたいということでありました。調査期間はされたと思いますので、その後どうなったのか、速やかに調査研究され、どのような判断なのかお伺いいたします。
 また、寡婦(夫)控除のみなし適用を市営住宅、保育料に限ってですが、行うのか行わないのか、御見解をお願いいたします。
 以上で終わります。

◯福祉部長(輿石十直君) 福祉部にかかわります数点の御質問に答えさせていただきます。
 まず、公定価格による保育所と幼稚園への影響などについてであります。
 平成27年4月から本格施行される予定の子ども・子育て支援新制度におきましては、保育所・幼稚園への共通の給付である施設型給付を創設し、保育事業等の運営に当たって財政支援を保障していくこととしております。
 施設型給付は、保護者に対する個人給付を基礎としておりますが、実際には事業者が保護者にかわって代理受領をする仕組みであり、公定価格から利用者負担額、いわゆる保育料を控除した額が事業者に給付されることとなります。
 公定価格は、定員区分や子供の年齢区分等に応じた基本部分と、職員の配置状況や処遇改善等による加算部分で構成されており、本年5月下旬に国から公定価格の仮単価が提示されたところであります。
 国は、必要な費用に見合うよう仮単価を設定したとのことであり、質の改善を行った場合には、さらに金額を加算することとしております。
 こうしたことから、定員規模や職員体制等に加え、処遇改善など質の改善に伴う加算により、新制度への参入・事業展開をするに当たっては、給付額は増加するものと考えております。
 特に幼稚園につきましては、認定こども園へ移行することも含めて、新制度による施設型給付を受けるのか、現行の幼稚園のままで継続していくのか、選択する上での判断材料等になるものと考えております。
 次に、保育士の雇用における確保策といたしましては、現在、市外居住の保育士が自分の子供を市内の保育所に預ける場合には、優先して広域入所できる措置をとっております。
 また、甲府市保育所連合会におきましては、今後就職希望者を対象とした合同説明会を開催するとのことでありますので、連合会と協力する中で、保育士の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、不妊治療についてであります。
 本市では、平成20年度から山梨県の不妊に悩む方への特定治療支援事業に加え、子供が欲しいと望んでいるにもかかわらず、子供に恵まれず、保険外診療で1回の治療費が高額な特定不妊治療を行った夫婦の経済的負担を軽減するために、治療費の一部を助成する甲府市特定不妊治療費助成事業を行っております。
 こうした中、厚生労働省では、年齢制限や通算助成回数の変更など、平成28年度から制度変更に向けて、今年度から段階的に見直しを行っており、本市といたしましても、今後を見据えつつ、通算助成回数の増加とともに手続の簡素化などの制度改正を行ったところであります。
 こうしたことから本市では、一般不妊治療に比べ保険外診療で治療費が高額な体外受精・顕微授精の特定不妊治療に対しまして、引き続き治療費の一部を助成してまいりたいと考えております。
 また、不妊治療の勧奨につきましては、甲府市ホームページや自治会を通じて全戸配布しております、甲府市市民健康ガイドにおきまして周知を図っているところであり、今後もさまざまな機会を通じて本制度の周知に努めてまいります。
 いずれにいたしましても、助成を必要とする方々の利用の向上が図られるように、子供を産み、育てたいと願う夫婦に対しまして、不妊治療の経済的支援を行ってまいります。
 次に、おたふく風邪ワクチン費用の助成についてであります。
 国におきましては、予防接種の効果的な推進のため、予防接種の現状及び課題について、予防接種にかかわる多くの関係者と共通認識を持った上で、科学的根拠に基づいて目標を設定するとともに、国民及び関係者に対して、その目標及び達成状況について周知を行っており、これらの方針に基づき、いわゆるワクチン・ギャップの解消、定期予防接種の接種率の向上、新たなワクチン開発並びに普及啓発及び広報活動の充実を当面の目標としております。
 本市におきましては、これまでも病気の予防と健康の保持増進及び医療費の抑制を図るため、子供の定期予防接種として、ヒブワクチン、MRワクチン、小児の肺炎球菌ワクチンなどについて接種費用の全額を公費負担で実施しております。
 こうした中、厚生労働省の予防接種部会におきましては、予防接種制度の見直しについての第二次提言の中で、「おたふく風邪も予防接種法の対象疾病に追加し、広く接種を促進することが望ましい」としたところであります。
 また、現在厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会におきまして、おたふく風邪ワクチンも含めた定期接種化の検討が行われていますことから、ワクチン費用の助成につきましては、今後の国の動向や他都市の状況を踏まえる中で、検討してまいります。
 次に、寡婦(夫)控除のみなし適用についてであります。
 寡婦(夫)控除とは、配偶者と死別または離婚した人が受けられる、所得税法等に基づく税法上の措置であり、非婚の母子(父子)家庭は対象外とされております。
 こうした中、非婚の母子(父子)家庭における寡婦(夫)控除のみなし適用につきましては、近年、一部の自治体におきまして、保育料を主体とし市営住宅の家賃の算定などに導入されてきております。
 その導入状況につきましては、政令市20市中9市、中核市42市中10市であり、本市と同様の特例市40市につきましては、保育料への導入が10市、市営住宅の家賃の算定への導入が5市という状況でありました。
 本市といたしましては、この寡婦(夫)控除の適用は、基本的には所得税法の改正によることが望ましいと考えておりますが、保育料や市営住宅の家賃の算定に寡婦(夫)控除のみなし適用を検討してまいります。
 よろしくお願いいたします。

◯山中和男君 はい、すみません。
 質問していた項目をちょっと割愛したいと思いますので、申しわけないです。よろしくお願いします。
 本当に不妊治療について、去年調べた内容ですと10市だったんですけれども、ことしを見たらば14市になっているということであります。ぜひこの社会的なスピードと庁内での検討のスピードが乖離しないよう、今後も検討していただきたいと思います。
 おたふく風邪なんですが、高齢者肺炎球菌ワクチンというのは、甲府市では国に先駆けて行っていただいた経緯もあります。ぜひおたふく風邪ワクチンも国のほうで検討しているということでありますので、国に先駆けて検討をしていただきたいと思います。
 みなし寡婦(夫)控除についてはぜひまた検討していただきまして、町村部ではやってもなかなか人がいないので適用する意味がないんですけれども、都市部であるほどみなし寡婦(夫)控除を適用する意味があるのではないかなと思っております。
 質問がちょっと足りなくて、質問できなくて申しわけないですが、一生懸命しましたので、どうか今後に反映していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。